ロッピス(Loppis)とは、北欧のフリーマーケットや蚤の市のことを言います。

ロッピスにはいくつかの種類があって、
広場や駐車場で主催者に参加費を支払って、大規模に開催するもの、
既存の古道具店がヴィンテージ商品とともにガラクタを販売するもの、
そして自宅のガレージや庭先で個人的に行うものがあります。

周囲にほとんど住居がないような田舎道を車で走っていると、
通り沿いの簡易な木製ゲートの横に手作り感いっぱいの”LOPPIS”とだけ書かれた看板を目にすることがあります。これが個人的にやっているロッピスの、よくある形です。

北欧のフリーマーケット『ロッピス』

ロッピスに並ぶ品物は、古着やキッチン道具、インテリア小物、
ファブリック、家具、CDやレコードといった様々なアイテムたち。

その日その時だけの“もの”との偶然の遭遇や運命的な出会いがあり、
メーカーは分からないけれど素敵だなと思える希少価値のあるものが手に入ったり、コスト優先のもの作りをしていない時代の良品を発見できたり。人気のヴィンテージ商品が手頃な価格で売っていることも。
まさに宝探しそのもので、このワクワク感がロッピスの醍醐味です。

北欧のフリーマーケット『ロッピス』

北欧は日本に比べて、「物を消費する=捨てる」という意識が薄く、
一つの物を大切に使い、用が済んでも次に必要としている人に物の命を託すという習慣があります。使わなくなったものや保管しきれなくなった物をやむを得ず捨てる場合には、できる限りリサイクルに回して環境に配慮するという心くばりが定着しています。

本当に良いもの、丈夫なものを使っているからこそ、
次の使い手や世代に受け継ぐことが出来るのかもしれません。

「断捨離」という言葉を多く耳にする昨今ですが、「捨てる」のではなく、
次の持ち手に受け継いでもらう断捨離を北欧から学びたいものです。

ものを買うときに、本当に必要なものなのか、
後々欲しいと思ってくれる人がいるのかを考えるきっかけにもなります。
そして使っている間も親しみを持ちながら、⻑く使うことができるよう大事に扱う習慣が生まれるかもしれません。

ものを大事にすることは、人の心を豊かにし、
本当に良いものだけを身の回りに置いておくことのできる行為なのではないでしょうか。